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我ながら腰抜けというか気の小さいヘタレな男だなと思います。
でも、やはり、この可哀想な女性をこれ以上貶めることは僕にはどうしてもできそうにありませんでした。

「もういいよ、やめよう。」 僕はMに言いました。
「俺も、もう十分だ、鍵返してやれよ」

Mの視線が今までつきあってきたなかでないくらいに暗くなったような気がしました。
「ちぇっ、いまさら自分だけ格好つけるかな」
「いつも、やっちまいたいって言ってたくせに、いまさらいい子ぶるんだ」
「本当はやりたいんだろ、やっちまえよ、そいつもその気なんだ、濡らしてんの気づいてるだろ」

Mの言葉を聞いているうちに僕の気持ちは、かえってどんどん冷えていくようでした。
「もう許してやろうぜ、こんだけ惨めな思いしたら、Sも堪えたはずだし」
「それに、やりたくても、この状況じゃ、もう勃起しそうもないよ」
「鍵返してやれよ、不満なら、あとで埋め合わせはするから」

「ちっ」 わざとらしい舌打ちをすると、Mはキャビネットの鍵を僕に投げてよこしました。
「好きにしろよ、俺がいたんじゃ、やりにくいだろうしな」
吐き捨てるように言うと部屋を出て行きました。

リーダーはキャビネットから体を離すと、最初のようにキャビネットの前にしゃがむようにして
両腕で体をしっかりと巻くようにして小さくなっていました。

「安心して、本当になにもしないから、服をだしてあげるから、そこをどいてくれる?」

「うっ、うっ、うっ、」 
そのとき、今まで気丈にふるまっていたリーダーが泣き崩れました。
キャビネットの引き出しの前に全裸で座ったまま泣いているのでキャビネットを開けて服を出すこともできません。

僕が近づくと、ハッと体を堅くしたのがわかりました。
リーダーは僕の意図を誤解したようでした。
さっきまで以上に腕に力をいれて膝をかかえていて、こちらを向こうともしません。
僕は無理矢理引き離すようにして彼女の右手首をもって、体から引き離しました。

「お願い、やめて」
リーダーが泣きじゃくるような鼻声で頼みます。

「これ、鍵だから、自分で開けてね、それじゃ俺は行くから」
彼女の右手をこじあけるようにしてキャビネットの鍵をねじこむように握らせると、僕も応接室をでました。
廊下を見回しましたが、ほかに人影はありません。
 

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